税制度の改正ってどんな流れなの?
新聞やニュースで住宅資金の贈与の非課税延長や賃上げした企業の控除額などが取り上げられていました。こういた税金の制度は、どうやって改正されていくのでしょうか?考えてみると意外と知らなかった方もみえるかと思います。
そもそも、なぜ?国会で議論?されているのだろう?
お子様から聞かれたとき、答えられる自信はありますか?
税制というのは、租税法律主義の下、立法の手続きをとることを要しています。
経済や社会の状況や変化を踏まえて、その時々の課題を中心に議論が進められていきます。
政府税制調査会という集まりが中長期的な視点から税制度を検討しています。毎年の具体的な税制改正の事項は、与党税制調査会が税制改正要望などを審議し、与党税制改正大綱が作成され、『税制改正大綱』が閣議に提出されます。
この『税制改正大綱』は、予算編成作業と並行して作業されています。予算編成において、税収の見込みと税金の使い道を検討されるなかで、税制改正によって、税収の増減や補助金などの支出が見込まれれば、それらも加味した編成作業となっていきます。
閣議にて『税制改正大綱』が決定されると、具体的な改正内容について国税は財務省が、地方税は総務省が作成し、国会へ改正法案として提出されます。
国会では、この提出された改正法案を審議します。衆議院と参議院のどちらかに提出され、先に法案提出された院から審議されます。衆議院では財務金融委員会、参議院では財政金融委員会にて審議を経て、本会議に付されます。これが可決されると、もう一方の議院に送付され、審議し可決されると改正法案の成立です。
ここで、改正法に定められた日から、改正法の施工となります。
この流れを念頭に置くと、新聞やニュースで取り上げられたのは、どの状況でなのか?も見えてきて、興味が湧いてくるかもしれません。
いずれにせよ、税制改正が私たちに①いつから②どういう影響を及ぼすのか?③事前にすべきことは?などなど考えさせ、行動を促していく…経済に影響していく…の仕組みです。